思い出話。 ちょっと長いよ。
879834298347293847億百万年くらい昔にぼくが学生だった頃、
なんだか気が合って良く話しをするようになった先生がいた。
ぼくのようなタイプの人間に出会ったのが初めてだから、
話をいっぱい聴きたいとか言ってくれてた。
んで、ちょくちょくお茶飲みながらお喋りしてたんだけど、
お互い音楽鑑賞が大好きだということで、
いつの間にかお互いにお薦めのCDを貸し合うのが習慣になりました。
先生はクラシックとジャズしか聴かないので、そっち系をぼくに貸してくれ、
ぼくは洋楽全般を貸し、次に会った時、お互いの感想を述べ合うって感じで。
ぼくは「 ロックだぜ!金持ちは死ね! 」みたいな尖ったナイフ的なスタンスでしたが、
実はトランペット吹いたりオペラとか習ったりもしてたので、クラシックやジャズに抵抗なかったし、
先生も聴く機会がなかっただけで、ぼくが貸したジャンルにガンガンハマっていきました。
ぼくはゴリっとしたコルトレーンや、マイルス・デイビスみたいな泥臭いのが気に入り、
先生はピーター・ガブリエルとケイト・ブッシュにアホみたくハマりました。
ハマりすぎてピーター・ガブリエルについて書いたコラムがローカル紙に掲載されたりしてた。
すごいぞ先生。
んでそんなこんなで週一回ほどのお茶飲み友達チックな付き合いを続け、
めでたくぼくが卒業する日がきた。
「 卒業祝いだよ 」と、先生がぼくにくれた一枚のCD、それが上にアフィってる
グレン・グールドのゴールドベルク変奏曲。
「 夜寝る前、暗い部屋で、目を閉じて聴いてみてください・・・ 」
という先生からの手紙が挟んでありました。
最初がアホみたくスローなピアノの曲で、聴いてるうちに眠くなるんじゃないかと思ったけど、
一音ごとに次の音符をジリジリと待ってしまうほど美しく、
暗い部屋で目を閉じていたのに最後まで一気に視聴してしまいました。
この曲での彼の変態プレイがクラシックピアノ界に与えた衝撃はかなりのものだったらしく、
その歴史をしらないぼくも、「 こいつ・・・ヤバイ 」と思うような神がかりの演奏。
彼は旋律の一部をハミングしながらじゃないと演奏できない癖があり、
小さな声でフンフン〜って歌ってるのが聴こえるんだけど、
それも曲の一部として機能してるので、全然邪魔じゃない。
このCDを棚から取り出して聴くたび、ケースに挟んである先生の手紙を見つつ、
先生・・・最後にマジやばいものを教えてくれたぜ・・・と本気で震えるのです。
そして卒業後、先生とぼくは街でひょっこり再会し、
今、ぼくの横では嫁がこのCDを見て
「 CD貸し借りっこしてたの、懐かしいね〜 」とニッコリ微笑んで・・・・・
・・・とかだったりしたらオモシロ美談なんですけど、
先生って白髪のおっさんだったのでそれはないです。
せっかくの手紙もおもっくそ紛失してしまいましたし。
(すんません、せんせー)
つーかこのCDジャケのグールドと似てる、かっけー紳士な先生でした。
おわりー。
うひょひょ。
- 2008/07/28(月) 23:20:42|
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